もち米と普通の米の違いとは?
もち米とは、いわゆる「おもち」の原料になるお米のこと。
おもちはそのまま食べても十分においしいけれど、しょうゆもち、なっとうもち、のりもち、づんだもち、くさもちーーと、どれも絶妙にうまい。
お雑煮も大好きだけど、なかでも味噌ラーメンにおもちを入れるのが最高だと思っている。
おもちがスープにとけ込んで、ドロッとした雑煮風になったところに麺に絡む、あの食感がたまらない。
他にも、おこわやおはぎ、お団子のように、もち米とうるち米(普通のごはんに使うお米)を混ぜたものも好きでよく食べる。
うるち米とは普段の食事で食べるお米のこと。
さて、うるち米ともち米。
精米した状態で並べてみると、昔からずっと疑問に思っていたことがあった。
ーーなぜうるち米は炊く前に半透明なのに、もち米は最初からまっ白なんだろう?。
「白いということは、何か特別な栄養素が含まれていて、あのモチモチ食感を生んでいるのかもしれない」ずっとそんなふうに考えていた。
けれど、ある時ふと、「本当のところどうなんだ?」と思い立って調べてみた。
すると……驚きの事実が判明。
なんと、逆だった。
もち米には、うるち米に含まれている「ある栄養素」がないから、あの食感と白さが生まれていたのだ。
お米には「アミロペクチン」と「アミロース」という2種類のデンプンが含まれている。
うるち米はアミロペクチン80%、アミロースが20%の構成。
一方で、もち米にはこのアミロースがほとんど含まれておらず、ほぼアミロペクチンだけでできている。
たった20%の違い。
それだけで、あんなにも見た目も食感も違ってくる。
これは本当に驚いた。
「何かが多く含まれている」のではなく、「含まれていない」ことであのモチモチ感が生まれていたとは……。
もし、ふだんももち米を主食としていたら、うるち米のほうが「透明感があって、ちょっと固めで歯ごたえのある不思議な米」と感じていたのかもしれない。
日々意識していることがある。
それは、何事も一方向からだけ見ないということ。
「なぜだろう?」と問い直すことで、思い込みに気づき、本質が見えてくることがある。
人間関係だってそう。
「あの人はこういう人間だ」と決めつけるのではなく、自分が逆の立場だったら……と想像してみる。
ちょっと難しいけれど、それができれば、きっと見える世界も変わってくると思う。
イラスト(イラストAC)T.H
投稿:2021.11.30 火曜日