「どうでもいい」という言葉が人間関係に与える影響とは?
世の中には「どうでもいい」という究極の言葉がある。
似たような言葉に「どっちでもいい」や「何でもいい」という言葉もある。
これらは相手に選択をしてもいいという権利を与えているにもかかわらず、選択自体を否定してしまっているときに発せられるどうしようもない言葉である。
要は自分には関係が無い、もしくは選択するのがめんどくさい、などのことを伝えたいためなのだが……。
もちろん、これらの言葉が必ずしも悪いというわけではなく、時には相手への気遣いや優しさとして使われることもある。
しかし、そのニュアンスが伝わらない場合や誤解を生むこともある。
自分でもたまに使う時があるが、他人から言われると腹が立ってしまう、ということは自分が使っているときは相手も腹を立てているのかもしれない。
なので、これらは人間関係を悪化させる要因のひとつになる可能性があるので、この言葉を発するときは注意が必要だと思った。
それでは、これらの言葉を他人から言われて個人的に腹が立った順番を並べてみる。
「どっちでもいい」
腹が立つレベル:💢(怒りレベル1)
二択なので相手からすると、どちらも同等の価値があるかもしれないし、どちらもまったく価値がなくて判断できない、もしくは判断するのがめんどくさくて、どちらかに決めてもらいたい、というのもあるかもしれない。
こちらに選択の自由を与えてくれているとも取れるが、その意図が見えにくい場合は、少しイライラすることもある。
どちらかに決めてもらいたいようだったら、しょうがないので選んであげる。
ムッとくるけど選んであげるのが重要。
後から違う方が良かったとか言われるとさらにムッとくるけどそんな時は「どっちだって同じだから」と言ってやんわりとカウンターを当てる。
「何でもいい」
腹が立つレベル:💢💢💢(怒りレベル3)
何を食べるか聞いたときに返ってきそうな言葉。
けっこう投げやりな返答なので聞いたほうは腹が立つと思う。
これもこちらに選択して決定する権利を与えられていると大目にみるしかない。
しかし、よくあるパターンだと「何でもいい」と言ったにもかかわらず、後になってから出された食べ物じゃないものが食べたかった、というとんでもない人間も世の中にはいる。
ムカッとしながら「じゃあ最初から言えばいいのに」とカウンターを当てると人間関係が悪くなってしまうので注意が必要。
逆に、相手の好みを知る良い機会とも言えるかもしれない。
我慢できそうでできないレベル。
「どうでもいい」
腹が立つレベル:💢💢💢💢💢(怒りレベル5)
その物事に対して完全に拒否していることになる。
会話の途中で相手が発すると会話が中断してしまう。
こちらもその物事に対してもう会話したくないときに相手に「どうでもいい」といって会話を切り上げることもできる。
ただし、これもまた文脈次第では、相手の話を尊重しつつ自分は口を挟まない、という意味で使われることもあるので、一概に悪いとは言い切れない。
しかし、会話自体を否定する言葉であることには変わりがないと思う。
なので、この「どうでもいい」という言葉自体が嫌いになってしまったので聞くのも嫌だけど、使うのも嫌である。
なんか口に出しただけで自分の価値を自分で下げてしまいそうなくらい嫌いで本当に「どうでもいい」と思っている言葉である。
人間関係で使用するとデメリットにしかならないと思うが、故意に人間関係を悪くしたいのならば最善の言葉かもしれない。
しかし、注意深く使うことで、時には対話の切り上げとしての役割を果たすこともあるので、その使い方次第で意味が変わるということを理解しておきたい。
他にあまり使わないほうがいいと思う言葉に「いつでもいい」とか「どこでもいい」とかってあるけど、こちらが聞いているのに答えが何だかわからない返答ばかりする人間とは、いずれ人間関係が悪化するのは目に見えている。
そういう人間だと分かっていれば腹が立たないようにこちらで最初から答えの候補を提示して会話を進めるという手段もある。
めんどくさいけど……。
とにかく、「どうでもいい」という言葉は嫌いなので自分では使わないようにしているし、相手が言ってきそうな話題には触れない、もしくは会話もしないようにしている。
嫌いな言葉を発する人間に近寄らないのも自分の心を守る防衛手段のひとつである。
しかし、それでも避けられない場合もあるため、そのときは自分自身の心の持ちようを大切にする必要があると思う。
イラスト mine
2022.4.30 土曜日