黒い綿棒で耳掃除したら「かさぶた」が出てきた話~やりすぎ注意の失敗談
耳掃除が好きな人は多いと思う……もしかしたら、自分がそう思うから他人もそうなんじゃないかと勝手に思い込んでいるだけかもしれないけど。
でも、耳の中をきれいにすると、なんとなく音がクリアに聞こえるような気がするし、何より気分がスッキリする。
ちょっとした心のデトックスにもなる感覚があって、「よし、今日は根こそぎ取ってやるぞ」という妙な意気込みすら湧いてくる。
今回は、そんな耳掃除に気合を込めすぎて、ちょっとした失敗をしてしまったという話し、である。
以前は耳かき専用の道具(小さいヘラのようなもの)を使っていたけど、最近はもっぱら綿棒派になった。
使い捨て出来るし、衛生的で、なにより手軽に使えるから便利だ。
ただ、綿棒にはひとつ不満があった。
白い綿棒だと耳垢が取れているのかどうか、いまいち分かりづらいということ。
そこで、「黒い綿棒なら耳垢がもっと見えやすいんじゃないか?」と思いついた。
そして、どうせならと”根こそぎ取れる”と評判のスパイラル型綿棒を使ってみることにした。
たしかに、黒い綿棒は結果が目に見えて分かるから、使っていて満足感がある。
スパイラル型の構造もあって、「おぉ、けっこう取れてる!」と、ちょっとした達成感すら感じられた。
が、その満足感には、意外な代償がついてきた。
数日後、耳の中に違和感を覚えた。
なんだか、こもったような感じで、かゆいような、くすぐったいような……。
気になって頭を傾けて軽く耳をポンポン叩いてみると、なんと出てきたのは「かさぶた」だった。
一瞬、何かの間違いかと思った。
でも、よく見ればかさぶた。
おそらく、綿棒で耳の中をぐりぐりしすぎて、皮膚が傷ついてしまったのだろう。
幸い、炎症や強い痛みには至らなかったけれど、「綿棒だから安全」と思い込んでいた自分の甘さを少し反省することになった。
後からネットなどで調べて分かったのは、耳の中というのは非常にデリケートな場所だということ。
そもそも耳垢には、雑菌やほこりから耳を守るという大切な役割がある。
そして、人間の耳は構造的に、耳垢が自然と外へ押し出されるようにできているらしい。
つまり、わざわざ奥まで掃除しなくても、基本的には問題ないのだという。
とはいえ、「ムズムズする」とか「気になる」とか、そういう感覚があると、つい耳掃除アイテムに手を伸ばしてしまうのが人間というもの。
気持ちはすごく分かる。
「耳掃除はしない」という選択肢もあるのかもしれない。
でも、自分にはちょっとその勇気はない。
耳は音を聞くだけでなく、バランス感覚を保つうえでも重要な器官。
だからこそ、ちゃんとアしたいという気持ちもある。
でも、やりすぎはやっぱりよくない。
気持ちよさを求めすぎて、耳の中に傷ができるようでは本末転倒だ。
耳掃除はほどほどに。
どうしても違和感がある、耳の中を見てもらいたいと思ったら、素直に耳鼻科に相談するのがいちばん安全で確実だと思う。
これは、ちょっとした自分の失敗談。
でも、もし耳掃除が好きな人が読んでくれて、少しでも「そうか、気をつけよう」と思ってもらえたら、かさぶたも無駄じゃなかったな……と、そんなふうに思う。
2022.11.20 日曜日