もし自分が生まれつき目が見えなかったら暗闇すら分からない
スポンサーリンク
いつも不思議に思う、色ってなんで見えるんだろう。
いったい何なのか、光が照らしているから見えるのか、それとも光が反射しているから見えるのか。
どっちなのか分からなかったので調べてみたら、照らしているのではなく反射しているらしい。
どう見てもその物自体に色がついているようにしか見えないけど。
その光にはさまざまな色が含まれていて赤い色に見えるのは赤色以外を吸収して赤色だけ反射している、なので青色や黄色も同じような感じで反射している。
そして、白い色に見えるのは光をすべて反射しており、黒い色に見えるのは光をすべて吸収しているという。
そして目の奥にある網膜に色を感じる細胞があって、光の三原色に対応した細胞が感じたものが信号となり、脳に送られて処理されて色を認識している。
なんか、目が見える、色を認識できる人間の機能って凄い。
そんなことをいろいろ考えたりしていた時に、ひとつの疑問が生まれてしまった。
もし、自分が生まれつき目が見えなかったとしたら。青い空も、白い雲も、緑の大地さえも認識できなかったはずである。
この世界にあるすべての色も。
形のあるものは触れてみれば形や大きさが分かる。
とてつもなく大きい物は模型を作ってもらい、それに触れてもいい。
しかし、色だけはどうしようもない。
色に詳しい人間に説明を受けたとする。
赤はこんな感じ、青はこんな感じで黄色は……など。
まず……100%言っている意味が分からないと思う。
色を見たことがある人間が病気やケガで失明したとしても、見えていたときの記憶からイメージできるが、生まれてからずっと色を見たことがなければ記憶もないのでイメージすらできない。
そのときに、目が見えること、色を認識できることって凄く不思議なことだと感じてしまった。
そんなことを考えていたら、また疑問が湧いてしまった。
目が見える人間がまぶたを閉じた状態か、もしくは夜にまったく光が無い状態だと見える色は黒色だと思う。
生まれつき目が見えなかったとしたら、まぶたを開いていても閉じていても同じ黒色だと思っていたが、見えないんだから黒色さえも分からないのでは、と思ってしまった。
ということは、真っ暗闇の黒さえも分からない。
色を認識できず、イメージすらも湧かない、そして概念すら存在しない世界。
色を見たことがある人間には色を見たことがない人間のことは理解できないし、色を見たことがない人間が色を見たことがある人間のことも理解できないことだけは分かった。
普通に生活していると、なにもかも当たり前に感じてしまう。
何かを見て目が見えることって凄いなんて感じないし、何か聞こえて耳が聞こえるって凄いなんて感じない。
病気になれば健康なときの有り難みがわかるように、人間は失ってみなければその価値に気づけない。
綺麗な色をした景色や映像を見て、そのもの自体を素晴らしいとか素敵だとか感じてしまうが、それらを見ることができる、色も認識できる、素晴らしいとか素敵だとか感じることができる、そんな自分自身というものが存在していることにも感謝できるようになりたい。
それには何もかもが当たり前のことじゃないと気づけるようにならなければならない。
与えられたものに感謝しながら生きていくことができれば、充実した有意義な人生を送れると思う。
スポンサーリンク
イラスト:「イラストAC」NORIMA
投稿:2021.2.5 金曜日