痛い思いから学ぶ感情コントロールの難しさ

怒りにより物を蹴飛ばして八つ当たりしている人間




日常生活で「怒り」という感情に悩まされることは、誰にでもあると思う……。

特に人間関係における怒りは強く、時には理性を失いそうになることもある。

自分も、その感情に何度も振り回されて翻弄されてしまった人間のひとりだった……。

そして、その怒りをうまくコントロールできず、恥ずかしながら痛い思いをしてしまったことがある……。

それも、同じ失敗を一度ならずも二度もやらかしてしまったので、反省の意味も込められている。

ある日、自分は、人間関係のもつれにより強い怒りに襲われてしまい、目の前にあった壁を思いっきり蹴っ飛ばしてしまった。

その瞬間はあまりいい気分ではなかったが、それでもおさまりが付かない怒りの矛先をどこかにぶつけたくて、無理やり納得させようとしていた。

しかし、しばらくたってから次第につま先の痛みが増してきたので、靴を脱ぎ靴下を脱いでみると、なんと右足の親指の爪が真っ黒になっていたのである……。

その後、包帯を巻いて何日間も痛みに耐えながら過ごすことになってしまった。

結果的には、真っ黒になった爪は剥がれてしまい、後から新しい爪が生えてきたのであった。

この経験を通して、感情をそのまま行動に移すことがどれほど危険であるかを、身をもって思い知ることになった。

それでも、怒りを抑えることはやはり容易ではなかった。

何年か後に、前回と同じ過ちを犯してしまったのである……なんて学習能力のない人間なんだろうと、自分で自分が嫌になったのである……。

怒りを感じた瞬間、我々は理性を失いがちで、冷静な判断が難しくなる。

深呼吸や「6秒待つ」というアンガーマネジメントの方法を試みても、瞬間的な怒りの前では無力に感じることもある。

しかし、それでも自分は、少しずつ怒りへの向き合い方を変えていく努力を始めた。

たとえば、まずは「安全策」を講じること。

今では、怒った時に何かを蹴り飛ばしても怪我をしないよう、安全靴を普段から履くようにしている。

バカバカしいと思われるかもしれないが、「怒りで自分を傷つけないための準備」としては、これが意外と役に立っている。

もう一つは、「怒りは永遠には続かない」と意識的に思い出すこと。

怒りの渦中では「この気持ちは絶対に消えない」と感じてしまいがちだが、どんなに強くても時間と共にやがて収まっていく。

そう考えることで、怒りの瞬間に少しだけ立ち止まり、自分自身を客観的に見ようとする心の余裕が生まれるようになってきた。

感情のコントロールは本当に難しい。

それでも、痛い経験を繰り返す中で、少しずつでも「感情と距離を置く方法」「自分を傷つけない選択」を学ぶことはできる。

我々は感情を完全に消し去ることはできない。

でも、その感情とどう向き合い、どう対処していくかを少しずつでも学んでいくことで、自分の心と体を守る手段が見えてくる。

そして、その小さな積み重ねこそが、怒りに振り回されない人生への一歩になるのではないかと、今では思っている。


とっさの怒りへのアンガーマネジメント法

もっといろんなアンガーマネジメントの方法を知っていれば、怒りに翻弄されることも、きっと少なくなるはず。


「6秒ルール」を実行する

怒りのピークは最初の6秒と言われている。

そのたった数秒、衝動的な行動をしないだけで、未来はかなり変わってくる。

心の中でゆっくり「1、2、3…」と数えるだけでもいい。

……とはいえ、自分はその6秒が間に合わなかったことがある、けど、知っておくだけでも価値はある。


その場を物理的に離れる

怒りを感じた瞬間、少しだけその場から離れてみる。

トイレに立つ、ベランダに出る、階段を一段降りる。

「視界」を変えるだけで、感情の波も少し静まってくる。

「逃げる」って、じつは「負け」じゃなくて「自分を守る選択肢」だと思う。


身体を少しだけ動かす

手をギュッと握ってすぐ開く、深呼吸を3回する、肩を回す。

ほんのちょっと体を動かすだけで、怒りのエネルギーが逃げてくれる。

「これをやる」と決めた動作をひとつ持っておくと、咄嗟の時に助けになる。


「自分は怒っている」と言葉にする

感情を「名前で呼ぶ」だけで、脳の中の理性が戻ってくる。

心の中で「いま、自分は怒っている」と言うだけでも、感情にのまれにくくなる。

言葉って、不思議なほど心の暴走を止めてくれる。


「本当に怒るべきことか?」と自問してみる

怒りがこみ上げた時こそ、こう問いかけてみる。

「これは、本当に今怒るべきこと?」「明日も同じ気持ちかな?」

この問いが浮かぶようになったら、かなり引き込まれなくなっている証拠かもしれない。


「怒りの逃がし口」を用意しておく

どうしても体で発散したいタイプなら、「蹴っても大丈夫なクッション」や「ギュッと握れるもの」など、あらかじめ「怒りの逃がし口」を用意しておくと安心。

ネネちゃんが大事にしてる、うさぎのぬいぐるみみたいなやつ。


怒らない人になる必要はないと思う。

ただ、「怒っても自分を壊さない人」になれたら、それだけで十分なんだと思う。

 とっさの反応を少しだけ変えていければ、自分の心も身体も、きっともっと守っていける。





投稿 2023.3.10 金曜日

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