幸せの本質~生命維持と満足感の関係

温かいこたつに入って幸せを感じているウサギ




幸せの感じ方は人それぞれ違うと思うが、その根底には、生命を維持するために必要な基本的欲求があると思う。

人間が幸福を感じる瞬間の多くは、実はこの基本的欲求が満たされたときに訪れるのである。

例えば、人間の体はその大部分が水分で構成されており、水分が不足すると、喉の渇きとして体から信号が送られる。

この状態で水を飲むと、ただその行為だけで深い幸福感を得られる。

これは、我々の体が生命維持に直結するニーズに敏感に反応し、そのニーズが満たされたときに強い安堵感と幸福感を感じるようにできているからである。

食事も同様に、我々にとって大きな幸せをもたらす要素である。

日々の食事ではそのありがたみを感じることが少ないかもしれないが、空腹時や長い間食べられなかった後に食事をとると、その一口がとてつもない満足感をもたらす。

これは、体がエネルギーを必要とし、その供給が不足することで危機感を覚えるためである。

この危機が解消される瞬間、我々は「生きている」という実感と共に、深い幸福感を得る。

さらに、体温調節も幸福感に大きく影響する。

暑い日に涼しい場所に移動した時や、寒い日に温かい場所に入った時、我々は強い安堵感と共に幸福感を感じる。

これもまた、生命を維持するために体が快適な状態を保つことが重要であり、そのバランスが取れた時に感じる幸福感である。

こうして考えると、我々が日常生活で感じる幸福の多くは、生命維持のために必要な基本的欲求が満たされた時に生じるものであり、これが幸福の本質だと思う。

しかし、これらの基本的欲求が満たされると、我々は次第にその状態を当たり前のものと感じ始め、さらなる欲求を求めてしまう。

何かしらの理由で手に入れた物や、何かを成し遂げた達成感、何かしらに束縛されない自由といった幸福感は、身体的な欲求を越えたものを手に入れることで幸福を感じることもあるが、こうした幸福感は一時的なものであり、時間が経つと覚めてしまうことが多いのも事実である。

このような幸福の一時性や冷めやすさを理解した上で、我々は日常の中で当たり前とされがちな基本的欲求の満足を、もっと大切に感じるべきである。

水を飲むこと、食事をすること、快適な環境に身を置くこと、これらのシンプルな行為こそが、最も純粋で持続的な幸福をもたらす要素なのだと思う。

最終的に、人間が幸せを感じるためのシステムは、生命を守り、健康を維持するために存在している。

このシンプルな事実を再認識することが、現代の複雑な社会の中で真の幸福を見出すポイントとなる。

幸福感を求める過程で忘れがちな、この基本的な事実に立ち返ることで、我々はより豊かで安定した幸福を手に入れることができると思う。





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イラスト:ふれっきー

投稿:2022.9.5 月曜日