他人は変えられないけど自分なんてもっと変えられない

自分を変えようとする女性と変えられない女性

スポンサーリンク



人間関係を改善できるとかでよくいわれているのが、他人は変えられないので自分を変える、とかっていうのがよくある。

確かに、何がどうであろうと他人を変えるのは難しいと思う。

ていうか不可能に近い。

実際に経験したことがある事柄で、職場で毎日、腹が立つ行為を繰り返していた人間に強い口調で注意を促したことがある。

直後からしばらくの間は改善の兆しが見えたが、時間が経つにつれだんだんと元に戻っていってしまった……。

また同じことを言わなければならないのか、と考えただけで心が疲弊していってしまった。

どうしようもない部下をもった上司の気持ちが分かるような気がする。

そのときに、ふと思ったことがある。

自分が逆の立場で他人に指摘され、言われたことに腹が立っても自分なりに納得したのならば二度と同じ行為は繰り返さないと……。

しかし、それは自分がそう思っているからであり、他人も同じように思っているとはかぎらない。

それは、自分の価値観で他人を見ていたということ……。

自分はこんなときはこうするから他人も同じようにするだろうという甘い考えがあったから……。

結局、変えようとしたが変わらなかった人間に対して腹が立ち、幻滅し、悩んだ末に心を疲弊させていったのだった。

このときに自分の価値観と他人の価値観は違うものであり、自分の価値観で他人を見てしまうと人間関係はおのずと悪化していくだけだ、ということが分かった。

ということもあり、他人を変えることは諦めざるをえない結論に達した。

あとは、人間関係の改善でよくいわれている自分を変えていく、これが人間関係改善の近道だと思っていたが、心のどこかでは他人の言動のせいで自分の心が疲弊しているのに、なぜ自分が変わらなければならないのか、という矛盾に長い間悩まされることになる……。

疑問に感じつつも、怒りを抑えながらいろんなことを試してみたり考え方を変える努力をしたりしてみたが、自分を変えていくのは、これもまた難しい。

つねに意識しなければならないし、とてつもなく長い時間が必要だった。

そして、やっと気づいた、他人は変えられないけど自分も変えるのってもっと難しいってことに……。

よくよく考えてみると、変わったように感じていたのは心の表面、表層部分であり、自身の本質というものなのか、それとも生まれ持った気質なのか、それとも育った環境によりつくられた性格なのかは分からないが、心の奥底にある自分自身というものは何も変わっていないことに気づいてしまった……。

単に自分の心へのダメージを最小限に抑えるテクニックのようなものを身につけたにすぎない。

そもそも劣悪な環境で自分を変えていける意思とエネルギーがあるのなら、他人の言動なんて気にならないのでは、なんか無駄な時間を過ごしてしまったようにも感じる。

毎日同じ環境にいる中で、自らの意思だけで自分を変えていくのには無理があるので、本当に自分を変えたいのなら環境をまず変えなければならないと思う。

学校や職場や家庭の今置かれている環境がすべてではない、なので、心の負担が大きくなってきたと感じるなら環境を変えることも選択肢にあることをを念頭に置いて考えていったほうがいいかもしれない。

人間なんてそう簡単に変わらない。

ていうか無理。


スポンサーリンク



イラスト サウナ猫

投稿:2022.6.10 金曜日

ブログランキング・にほんブログ村へ