無視のすすめ~すべてに反応しないという選択

「なんでそんなこと気にするの?」そう言われても、気になってしまうものは気になってしまう……。

言葉や態度、ちょっとした表情ひとつが、胸に刺さって残ることがある。

けれど、それをいちいち真に受けていたら、心がもたない。

だからこそ、無視するという選択肢は、思っているよりもずっと大事な意味を持っていると思う。


必要なのは、見ない力・聞かない力

我々のまわりには、あまりにも多くの情報や言葉が飛び交っている。

ネットでも、現実でも、人はあっさりと誰かのことを評価し、時に傷つけ、押しつけてくる。

そんなとき、すべてに反応していては、自分がすり減っていくばかりだ。

本当はどうでもいいことに、無意識のうちに心を使わされてしまう。

そうならないためにも、「これはスルーでいい」と判断する感覚を育てたほうがいい。

反応しないというのは、弱さではない。

むしろ、自分の軸を守るために必要な、ひとつの技術だ。


無視できるようになると、少し楽になる

誰かに何かを言われたとき、「その言葉は、自分にとって価値があるか?」と一瞬だけ立ち止まってみる。

そのうえで、「いや、これは自分が気にする話じゃないな」と判断できたら、そこで終わらせる。

それだけで、気持ちがずいぶんと軽くなる。

無視とは、自分を大切にする行為でもある。

相手を否定するためではなく、自分の心を守るために、あえて距離をとる。

それだけのことだ。


反応しない人は、冷たい人ではない

何も感じていないのではない。

何を受け取るかを選んでいるだけだ。

人と深く関わろうとすればするほど、無神経な言葉にもたくさん出会う。

けれど、そのすべてに感情を動かしていたら、やっていられない。

だから、必要なものだけを受け取り、あとは静かに流す。

それを繰り返すうちに、少しずつではあるけれど、自分の中に落ち着きが生まれてくる。


無視することは、逃げることではない

逃げではないし、ましてや放棄でもない。

本当に守るべきものが何なのかを見極めるために、一部の雑音を切り捨てる。

それは、ちゃんと前を向いて生きていこうとする人のための行動だと思う。

全員に優しくなんて、できるはずがない。

全員に理解されようなんて、もっと無理がある。

だからこそ、合わないものはそっと距離を置いて、自分のペースで進んでいけばいい。

無視していいことは、案外たくさんある。


投稿     2025.7.5 土曜日