人生最後の日を思い描くことで見えるもの

人生最後の日の夕焼け空




ふと考えたことがある……。

今日が、自分の人生の最後の日だと何者かに告げられた時に、いったいどんなことを思うんだろうと……。

ほとんどの人間は自らの人生を後悔するらしいけど、自分はいったいどんなことを後悔するんだろう……。

たぶん、誰もが思うようなことだと思う。

やりたいと思っていたけどやれなかったこと、もしくは、いつかやめようと思っていたけどやめられなかったこと、だと思う。

ああしておけばとかこうしておけばとか、あんなことしなければとかこんなことしなければとか、いつもと変わらないことだと思う。

その日が最後なので考えられるのは過去のことだけなのに、もしかしたら現状をかえられたのではないのだろうかとか、一生懸命考えてしまうと思う。

もう後が無いからどうしようもないのに……。

そしてその日もいつもと同じよに、あっという間に時間は過ぎてしまうだろう……。

常日頃から人生最後の日に後悔しないようにいくら頑張っていたとしても、人間には欲があるので後悔しないようにというのは不可能な気もする。

なので、人生の最後の日だって、いつものようにしていればいずれ時間が来てしまう。

人間の人生なんてそんなものだと思う。

そんな後悔とかよりももっと苦しいのは、絶望を感じることだと思う。

もし自分のこれまでの人生が、人間関係が良好で、有り余るお金があって、やりたいことが何でもできて、毎日幸福を感じながら生きてきたとしたら……。

それがもう一日限りで失われるとしたら……。

自分だったらその幸福を失う恐怖に耐えられない。

それが絶望というこの世で最も不幸なことだと思う。

だったら、なんだかんだ後悔したほうがよっぽどましなような気もする。

でも、もしかしたら、幸福な人生を歩んできた人間の中には、人生最後の日だと告げられた後でも、この世に生を受けたことに感謝しながら終焉を迎える人間もいるかもしれない。

自分もいつしか、そういう人間になりたいと心から願っている。


明日は我が身をつねに意識する

いつか必ず自分の命が尽きるときがくる、生命体として生まれてきた以上、絶対に避けては通れない……。

それは、もしかしたら明日かもしれない。

そんなふうに思うようになったのは何年前だったか忘れてしまったが、それからは今日という日を一生懸命に生きていくように心がけている。

きっかけはテレビニュースを見ていて感じたことだったと思う。

報道される内容は毎日誰かが不幸に見舞われているということ。

災害だったり、事故だったり、病気だったり……。

毎日、自分以外の誰かが自らの天寿を全うしないうちに、何かしらの強い力によって命を落としている。

そう、この世では自分より強い力が発生して襲い掛かってきたら、たとえ能力や経験や知識がいくらあったとしても自分の力ではどうすることもできないことが多々ある。

それを認めたくないからなのか、ただ単に他人の不幸を見たくないからなのか分からないが、ある時期からテレビニュースを見なくなり、いつしかテレビさえも見なくなっていた。

そしてこう思うようになっていった。

明日は我が身だと、明日が人生の最後の日になるかもしれない……と。

誰だって途中リタイアではなく天寿を全うしたいと思っているに違いない。

人間には正常性バイアスという、自分だけは命を落としかねない厄災には巻き込まれないという思い込みがあるらしい。

自分も交通事故に巻き込まれ、乗っていた車が廃車になり、自らも鞭打ちになったり、機械に挟まれて右側の鎖骨を複雑骨折したときまでは正常性バイアスが働いていた。

その時までは自分の人生で、命を脅かすようなことなんて発生しないものだと思い込んでいた。

今では自動車や機械は人間の命を奪う可能性がある危険なものにしか見えない。

なので自動車を運転をするときや機械を操作するときなどは細心の注意をするようにしている。

もちろん自動車を降りてからも他の自動車の動向には注意を傾けているし、稼働中の機械に対して注意を怠らないようにしたり、機械を修理するときなどは主電源を切るなどの安全策を施している。

当たり前に聞こえるが人間は慣れてしまうと何事にも軽率になってしまうことがある。

なめてかかると痛い目を見る、ということを経験して生き残ったから言えると思う。

世の中には事故などで命を落としてしまい、学ぶ機会さえ与えられない人間もいる……。

本当は自動車や機械だけではなく、あらゆることに注意を注がなくてはならないんだけど。

しかし、どんなに注意していても、自分の力ではどうすることもできないことは突然やってくる。

なので何かしらの力で命を失ったとしても悔いが残らないような人生にしようと思った。

それには「今日という日は二度と来ない」を強化して「今日が人生で最後の日」に設定してみる。

そして「明日は自分の番が来る」と思いながら今日という日を大切に、そして一生懸命に今を生きてみる。

やる気を出して充実した日にするために、何でも工夫して楽しめるようにする。

なので、めんどくさいなんて言っていられない。

でも、人間関係や将来の不安に悩んだりして、なかなかうまくいかない。

それでも心のどこかではつねにそう思うように心掛けている。





2022.12.15 木曜日

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