過去を後悔するより潔く諦めてみる
「後悔先に立たず」という諺がある。
この言葉は、起きてしまった出来事を後から悔やんでもどうしようもないので、慎重に考えてから物事に取りかかった方が良い、ということを促す教訓を含んでいる。
この諺を考案した人間はもしかしたら、避けられない過ちを犯してしまい、その後悔から逃れられない人生を送っていたのかもしれない。
後悔しているときの感情を思い出すと……とても嫌な感じがする。
かけがえのないものを失ったりすると寂しく感じたり、取り返しのつかないことをやらかすと悔しく感じたり、何もしてなくて状況が悪化したりすると虚しく感じたり、あの時ああしていればとかこうしていればとかっていろいろ考えてしまい、挙句の果てに反芻が始まって夜も眠れない時もある。
不可能だと分かっていても、なんとか過去に戻ってやり直せないのか、なんてことまで考えてしまう。
どうしようもないのに……。
そうやって考えていたときに、ひとつだけ分かったことがある。
どうしようもないことはどうすることもできないので諦めるしかないってことが……。
もしかしたらなんとかなったんじゃないか、なんていつまでもくよくよ思ってしまうのも人間の欲がはたらいているせいなのかもしれないけど……。
欲を払拭して過去を変えることなんてできないとキッパリと割り切ることができれば、もしかしたら人生をもっと楽に送れるのかもしれない……。
そして、過去を振り返って嫌な気分になるより未来に希望を持って良い気分になっていたほうがやる気も増すような気もする。
もし、今この瞬間が楽しくて嬉しくてワクワクしていて将来が希望に満ち溢れていたら、仮に過去の失敗やどうすることもできなかったことを思い出してしまったとしても後悔するという感情は最小限に抑えられるかもしれない。
過去の出来事は捉え方によって変えることができると聞いたことがある、しかし、その時の心の状態で変わってしまうので期待できない。
そんなことより、人間の人生はかけがえのない瞬間の連続でできている、次の瞬間は未来からしかやってこない。
戻ってこない過去に時間を使うより、やって来るかもしれない未来に、希望を持って想い描いていたほうがいいと思う。
イラスト yosiyosi
2022.10.15 土曜日