マウントを取る人の会話パターンに気づいた話

会話の冒頭に否定から入る人間




たあいもない会話でも、マウントを取ろうとしてくる人間や、マウントを取った気になっている上から目線の人間というのは、ある共通した“否定の言葉”を使っていることに気づいてしまった。

それまではただの違和感として受け取っていたけれど、よくよく観察してみると、やはり一定のパターンがあるようだ。

はたして、マウントを取ろうとする人間が、あるある的に使いがちな言葉とは、どんなものなのか?……。

それは、「違う」「でも」「いや」といった、会話の冒頭に差し込まれる否定の言葉。

こちらの話を聞いた直後、これらの言葉を口癖のように挟んでくる人間がいる。

もしもこちらの言っていることが事実と異なるのであれば、「それは」「これは」「あれは」と言いながら冷静に説明してくれれば済む話。

でも、彼らはわざわざ否定から入ってくる。

最初は気にしないようにしていても、あまりにも毎回否定されると、だんだん腹が立ってくるし、もう話したくなくなる。

そういう人に限って、日常的に嫌味を言ったり、陰口を叩いたり、愚痴をこぼしたり、わざと反対のことを言ってきたりする。

もはやこの時点で、「できれば関わりたくない人リスト」に追加されてしまう。

「気にしなければ気にならない」――そんなの分かってる。

けれど、気になり始めたら最後、もう会話自体がしんどくなって、気分までも悪くなってくる。

さらに厄介なのは、それによってやる気すら削られてしまうことだ。

実際、聞いている側は、何度も否定されることで自尊心がじわじわ削られ、ストレスが溜まり、心身にまで影響が出ることもある。

最終的には、人間関係の悪化につながる可能性も十分にある。

そして、ここが特に重要な点なのだが――こうした人たちは、話の「内容」を否定しているのではなく、「相手そのもの」を否定して、自分が上に立ちたいだけというケースが少なくない。

もちろん、そこに信頼できる根拠なんて存在しない。

もしもそんな人の言うことを鵜呑みにしてしまうと、特に仕事関係では危険だ。

たとえば、以前言っていたことと今回言っていることが矛盾していたりして、こちらが「この前と話が違う」と指摘すると、「そんなこと言った覚えがない」としらばっくれたりする。

そういう場面で、自分も痛い目を見たことがあるし、他人が混乱しているのを目にしたこともある。

だからこそ、こういうタイプの人間が「マウントを取っているな」と判断できた時点で、人間関係の修復は難しいと見切る方が無難だ。

彼らは、自分が“偉い”と本気で思い込んでいる。

じゃあ、どう対処すればいいか?

ひとつの手段として、こちらから「質問形式」で会話をコントロールする方法がある。

質問形式なら、相手は否定から入りづらくなる。

とはいえ、中には反射的に「いや、でもさ」と否定してくる人もいる。

そうなってくると、もう完全に厄介な存在だ。

こちら側のダメージを最小限に抑えるには、会話を適当なところでスパッと切り上げる勇気も必要になる。

仕事の場では、逆にわざと反対意見をぶつけてみるという手もあるが、同じ結論に至ったとしても、腹が立つものは腹が立つ。

毎回うまくいくとは限らない。

けれど、手遅れになって関係がこじれてしまったら、その人との距離をしっかり取ることが最重要になる。

場合によっては、環境そのものを変える選択(転職など)も視野に入れた方がいい。

とにかく――マウントを取るタイプの人間が発する、気をつけるべきサインは、「違う」「でも」「いや」という否定語が会話の冒頭に繰り返し出てくること。

これに気づけるだけでも、少しは自分を守る準備ができる。

自分の心を削られないように、そして大切なやる気が削がれないように、慎重に距離を見極めていきたい。





イラスト:「イラストAC」ハコ

投稿:2021.7.5 月曜日

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